伊東純也なくして攻撃は成り立たない リーグ・アンを代表する選手になる日も近い (2ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

【大事な場面で必ずビッグプレーを見せてくれる】

「ブラスター(熱線銃)と化した伊東」

 翌日の『レキップ』紙は、そんな見出しで伊東を称賛。マルセイユ戦に続き、チーム内最高の7点をつけた。

 直近の第3節モンペリエ戦では、ユニオン・サン=ジロワーズ(ベルギー)時代に三笘薫のチームメイトでもあった新戦力MFテウマの左足が炸裂し、2ゴール1アシストと主役の座は移ったが、チームは3-1で勝利。伊東の見せ場は少なかったが、3試合連続のフル出場を果たして任務を遂行した。

 ここまでのパフォーマンスを見るかぎり、伊東は昨シーズン以上の充実ぶりで、完全にチームの中心選手になった様子だ。しかも、昨シーズンの快進撃の主役だったFWフォラリン・バログン(今シーズンはモナコに移籍)が退団したこともあり、スタッド・ランスの攻撃は伊東なくして成立しない状況になっている。

 際立っているのが、伊東が試合を決定づけるビッグプレーを見せるようになったことだ。

 チームの大黒柱になるような選手は、必ず大事な場面でビッグプレーを見せてチームを助けてくれる。アウェーでの難しいマルセイユ戦の先制ゴールも、追いつかれるかもしれないような展開だったクレルモン戦の終盤に生まれたダメ押しゴールのお膳立ても、大黒柱ならではの大仕事だった。

 試合を動かす選手に進化しつつある伊東は、この調子を持続すれば、お世辞抜きでリーグ・アンを代表する選手になるだろう。

 一方、加入初年度の中村は、マルセイユ戦の後半60分に左ウイングのMFレダ・カドラに代わって開幕戦デビューを飾ると、第2節と第3節は4-3-3の左ウイングでスタメン出場を飾っている。

 もちろん、まだ何も結果を残したわけではないので、手放しでは喜べない。だが、それでも初めてのリーグ・アンで確実に前進していることは間違いなく、そういう意味ではここまで順調に推移している。

 昨シーズン、オーストリアのLASKリンツでリーグ戦14ゴールをマークし、今夏にステップアップ移籍を果たした中村にとって、最初のハードルになるのは「リーグ・アンのサッカーに適応すること」だ。

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