旗手怜央がリーグ優勝を決めた試合のハーフタイムにポステコグルー監督にかけられた言葉とは 「そこまで言われたら絶対に後半は見返してやる」 (3ページ目)

  • text by Harada Daisuke
  • photo by Getty Images

【三冠を達成してシーズンを締めくくりたい】

 ケガから復帰したばかりとあって、目に見える活躍は、気持ち的にも、精神的にもラクになる。もともとはFWの選手だっただけに、ゴールやアシストという結果はなおさらだった。

 チームは80分にも追加点を挙げ、2-0で勝利してリーグ連覇を達成した。ハーフタイムにアンジェさんから発破をかけられたのが発奮材料にもなり、僕はその試合でアシストを記録することができた。優勝を決める試合でチームの勝利に貢献でき、ケガから復帰直後だったことも重なって、喜びと安堵に包まれた。

 続く第35節ではレンジャーズに0-3で敗れてしまったけど、今季はそれまでライバルであるレンジャーズに、リーグ戦で一度も負けなかったのが連覇できた要因のひとつだと感じている。

 また、リーグ戦は1年間を通して争うだけに、リーグ優勝は選手にとって1年間やってきたこと、取り組んできたことの証になる。自分自身にとっても、今季は年間通してチームの勝利に貢献できて、大きな自信になった。それはシーズンの半分しかチームに貢献していない昨季とは大きく違う手応えであり、財産だ。

 ハーツ戦で優勝を決めたあと、セルティック・パークで行なわれた祝勝会に、自分の姿がなかったことから、ニュースなどでも話題になっていたのは、僕自身も目にした。だけど、ハーツ戦で優勝が決まるという状況がわかるだいぶ前から予定があり、クラブや監督にも前々から事前に許可をもらっていた。

 本来ならば、僕自身もセルティック・パークで、ファン・サポーターと喜びを分かち合いたかった。確かに、その場にはいられなかったけど、その時間、僕の心はセルティック・パークにあり、みんなとリーグ優勝に歓喜している気分だった。

 まだリーグ戦も残っているけど、セルティックが今季目指せるタイトルはもうひとつ。6月3日にインヴァネスと対戦するスコティッシュカップの決勝が残されている。スコティッシュリーグカップ、スコティッシュプレミアシップに続き、しっかりとタイトルを勝ち獲り、三冠を達成して今シーズンを締めくくりたい。

旗手怜央 
はたて・れお/1997年11月21日生まれ。三重県鈴鹿市出身。静岡学園高校、順天堂大学を経て、2020年に川崎フロンターレ入り。FWから中盤、サイドバックも務めるなど幅広い活躍でチームのリーグ2連覇に貢献。2021年シーズンはJリーグベストイレブンに選ばれた。またU-24日本代表として東京オリンピックにも出場。2021年12月31日にセルティックFC移籍を発表。2022年1月より、活躍の場をスコットランドに移して奮闘中。同年3月のカタールW杯アジア最終予選ベトナム戦で、A代表デビューも果たした。

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