久保建英、日本人最多ゴール記録更新の必然 「スペイン人以上にスペイン人」のメンタリティを発揮 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

「タケ(久保)はスペイン人以上にスペイン人」

 現地の記者やスタッフなどから漏れ聞こえてくる声である。スペイン人同然にスペイン語を話せるだけでなく、メンタリティでもスペイン人の熱さ、激しさ、ふてぶてしさを持っている。それによって信頼も得られる。

 久保はコンビネーションプレーを得意とするが、ラ・レアルではシルバを筆頭としたトップレベルの選手がいることで、その能力が最大限に引き出されている。現時点で、枠内シュート数はチームトップ。それだけシュートを打てる日本人はなかなかいない。

「目標はシーズン二桁(得点)。22歳までにはCLに出たい」

 その貪欲さが、彼の道を切り拓く。次節は、ホームゲームで返り討ちにしたアスレティック・ビルバオとのバスクダービーになる。前半戦、久保が評価を定着させた一戦だ。敵は手ぐすねを引いて待っているはずだが、"バスク人の誇りをかけて"負けられない。

プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。

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