久保建英が「正直、ほっとした」と本音を吐露 ダビド・シルバとのコンビで決勝弾 その関係性も語る (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

【久保が語ったシルバとの関係】

 久保は前半だけで5本もシュートを放っている。自陣のカウンターからわずか2本のパスを経由してのフィニッシュ。CKの流れから横パスを受けたミドル。同じくシルバが自陣からカウンターを発動させ、敵陣で折り返したボールを左足で打ったシュートもあった。前半終了間際には、スローインからの流れで、エリア内での浮いたボールへのチャレンジで相手と接触し、PKかどうか微妙なシーンもあった。

 シュートはすべて枠を外し、ゴールにならなかったとは言え、これだけのバリエーションでトライできるアタッカーはなかなかいないだろう。

 ゴールに向かうところで、図抜けた強度も示していた。久保がシルバに出したパスが一度カットされたが、それを奪い返し、そこからボールを前に運ぼうとするシーンがあった。敵陣にいる久保は、ボールを持っていようとなかろうと、攻撃をし続けられる。驚くべき集中力だ。

 後半立ち上がりに久保がゴールを決められたのは必然だったかもしれない。

「ラ・レアルは、シルバとタケ、2人だけのチームではないよ。あくまで集団として機能しているからね。今日は2人にプレーの激しさを求めたのは事実だけど」

 イマノル・アルグアシル監督がそう振り返ったように、チームの「仕組み」が整えられているのは大きい。各選手が何をすべきかはっきりしていて、有力選手はそこを逸脱し、さらなる好プレーを見せることができる。そこにラ・レアルの真実はある。

 それでも、久保とシルバの2人は別格だった。彼らが近づくたび、相手ディフェンスはほとんどパニックに陥った。いい距離感を保つと、単なるワンツーでも簡単に守備陣形を崩せた。

「ダビド(シルバ)はとてもいい選手で、日本ではシャビ(・エルナンデス)、(アンドレス・)イニエスタと、3人がいい選手と考えられています。日本人は小さくて、うまくて、試合を支配する選手が好きなんです。ダビドにはピッチでめちゃくちゃ助けられているし、あらゆる責任を背負い、自分から重みを取り払ってくれるんです」

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