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大注目のCL決勝はどんな戦いになるのか。リバプールとレアル・マドリードの強みと弱みを識者3人が解説 (3ページ目)

  • photo by Getty Images

ハイテンポのリバプール、ローテンポのレアル・マドリード

倉敷 いろいろな戦い方のできる両チームですが、自分たちのやりたいサッカーができそうなのは、レアル・マドリードでしょうか、リバプールでしょうか? どういったゲームになると思いますか?

中山 基本的に、リバプールは相手によってサッカーを変えるようなチームではないと思うので、DFラインを高くして、いつものように敵陣ではハイプレスをしかけていくと思います。ですから、レアル・マドリードが自陣に押し込まれる時間が長くなる可能性は高いと見ていいでしょう。

 ただし、レアル・マドリードはそのような戦い方をシーズンのなかでしっかりと積み上げてきていて、自陣で守ることを得意としていますし、相手のプレスをかいくぐってから左のヴィニシウスを使ったカウンターアタックを武器としています。

 しかも、決勝トーナメントのパリ・サンジェルマン戦、チェルシー戦、マンチェスター・シティ戦がそうだったように、形勢が不利の状況でも、一瞬の隙を逃さずにワンチャンスでゴールに結びつける勝負強さが際立っている。

 そうした点では試合の構図をイメージしやすい対戦だと見ていて、展開としては、敵陣に押し込もうとするリバプールに対して、レアル・マドリードが自陣で守りながら虎視眈々とワンチャンスを狙う、という両チームのせめぎ合いになるのではないでしょうか。

倉敷 たとえばリバプールはチェルシーと対戦した今シーズンのすべての試合が引き分けだったように、守ることが際立ってうまいチームには苦戦を強いられています。小澤さんは、今回の決勝戦はどのような展開になると予想していますか?

小澤 個人的には、レアル・マドリードにとっては昨季の対戦が参考になるのではないかと想像しています。つまり、ある程度リバプールを引き込んで、相手の持ち味であるアグレッシブかつハイインテンシティな速いテンポのサッカーに対して、逆にテンポを少し落としながら、とくに相手3トップのスピードをコントロールするようなエコなサッカーで対抗するのではないでしょうか。たしかにリバプールは試合巧者でいろいろな引き出しを持っていますが、そこはレアル・マドリードのほうが上手だと思います。

 それに決勝独特の緊張感があるなかで、リバプールがキックオフから怒涛のプレッシングで先制点を狙いにいくのか、という疑問もあります。その意味でも、レアル・マドリードは序盤からローテンポなサッカーをすると予想します。ただ、レアル・マドリードがカウンター攻撃をすると中盤が間延びする展開になると思うので、その状況でカウンターの打ち合いになって、どちらが先制点を奪えるかという意味では、レアル・マドリードはベンゼマの存在が強みになるでしょう。

 チェルシーとのFAカップ決勝を見ても、リバプールは基本ハイライン設定で裏を取られることが多いので、優勝がかかる試合などではラインを下げるのが早くなる傾向にある。そうなると、どうしても中盤が間延びしやすくなるので、チェルシー戦ではメイソン・マウントやクリスティアン・プリシッチにライン間を取られて決定機を作られていました。おそらく、ライン間の取り方が上手なベンゼマ、モドリッチがいるレアル・マドリードも、チェルシーの攻撃を参考にするのではないかと思います。

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