久保建英の武器と課題を風間八宏が指摘。ゴールやアシストが不足しているのはなぜか (3ページ目)

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • 中島大介●写真 photo by Nakashima Daisuke

ペナルティーエリア内で勝負する回数を増やしたい

 相手を翻弄できるドリブル、センス溢れるパスなど、少年時代から傑出したテクニックを誇る久保建英。

 ただ、ラ・リーガの舞台に渡ったここ3シーズンは、必ずしも周囲の期待に応えられているとは言えない。とくにゴールやアシストといった目に見える結果が不足している点は、かねてから指摘されているとおりだ。

 では、久保がゴールやアシストを量産するためには、どうすればいいのか。風間氏は、その点について次のように説明してくれた。

「たとえばゴールを決めるために何をすればいいのか。まずは相手ペナルティーエリアのなかでフリーになる必要があります。その視点で見てみると、まだ久保はペナルティーエリアでプレーする時間が少ない。そのなかでフリーになるテクニック、つまりあの狭いエリアのなかで相手を外すといった技を身につければ、ゴールを決める可能性はもっと高くなると思います。

 もちろんチーム事情もあると思いますが、これまでのプレーを見ていると、ペナルティーエリアの外でボールを受けてから仕事を始めるケースが多い。ボールを扱うテクニックはすでに高いものがあるので、もしゴールやアシストを増やしたいなら、ペナルティーエリアで勝負する回数を増やすべきでしょうね。

 そうすれば、チャンスメーカーやフィニッシャーと言われる選手になれると思います」

 若くして周囲から大きな期待をかけられている日本サッカーの逸材は、果たしてゴールやアシストを量産する選手に進化を遂げることができるのか。久保の未来は、今後の日本代表にも大きな影響を与えるはずだ。

久保建英
くぼ・たけふさ/2001年6月4日生まれ。神奈川県出身。小学生時にバルセロナの育成組織でプレーし、帰国後はFC東京の育成組織へ。15歳でトップチームデビューし、16歳でプロ契約。2019年にレアル・マドリードへ移籍し、以降ローン移籍の形でマジョルカ、ビジャレアル、ヘタフェ、今季は再びマジョルカでプレー。昨年は東京五輪を戦った代表でも奮闘した。日本代表Aマッチ出場15試合(2022年5月時点)。

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風間八宏
かざま・やひろ/1961年10月16日生まれ。静岡県出身。清水市立商業(当時)、筑波大学と進み、ドイツで5シーズンプレーしたのち、帰国後はマツダSC(サンフレッチェ広島の前身)に入り、Jリーグでは1994年サントリーシリーズの優勝に中心選手として貢献した。引退後は桐蔭横浜大学、筑波大学、川崎フロンターレ、名古屋グランパスの監督を歴任。各チームで技術力にあふれたサッカーを展開する。現在はセレッソ大阪アカデミーの技術委員長を務めつつ、全国でサッカー選手指導、サッカーコーチの指導に携わっている。

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