ミランで初先発初得点のマルディーニ家三代目は、6歳でセードルフにタックルをかました
12年と3カ月25日の月日を経て、ミランのスターティングメンバーに、「マルディーニ」の名が戻ってきた。
ダニエル・マルディーニ。パオロ・マルディーニの2番目の息子は9月25日、スペツィア戦で初めて先発出場。いきなり初ゴールも決め、チームの勝利に貢献した。翌日のイタリアの新聞はこぞってその記事を一面に載せた。まだ19歳の選手に対して破格の扱いであるが、なにしろ彼はチェーザレ、パオロと続くマルディーニ王朝の三代目なのだ。
スペツィア戦で先発、初ゴールを決めたダニエル・マルディーニ(ミラン)この記事に関連する写真を見る 有名選手の二世選手の例は少なくない。最近のイタリアでいえば、エンリコ・キエーザの息子フェデリコ(ユベントス)の活躍が目覚ましい。しかし三世代となると、その数はぐっと少なくなる。オランダのクライファート家、ウルグアイのフォルラン家、セルビアのスタンコヴィッチ家などがそうだ。
だが、マルディーニ家が何よりも突出しているのは全員が同じチーム、それも強豪ミランに所属していることだ。父と祖父はそれぞれキャプテンを務め、欧州王者の座に輝いている。自然と三世代目にも期待はかかるだろう。
祖父のチェーザレ・マルディーニは1954年から1966年までミランで347試合をプレーした。ポジションはDFで1963年よりキャプテンも務めた、当時のミランの顔となり、スクデット(セリエA優勝)4回、チャンピオンズカップ1回を勝ち取り、引退後はミランのコーチと監督、イタリアとパラグアイの代表監督も務めた。残念ながら2016年に84歳で亡くなり、孫のセリエAデビューを見ることはかなわなかった。
パオロはチェーザレの6人の子供のうちの5番目、ただし上の4人は全員女の子だったので、初めての男の子だった。1978年、10歳でミランの下部組織に入り、1985年1月のウディネーゼ戦でデビュー。16歳と208日でのデビューはミランの最年少記録であり、今でも破られていない。
生涯ミランでプレーし残した成績は647試合、29ゴール。スクデット7回、コッパ・イタリア1回 チャンピオンズリーグ5回、ヨーロッパスーパーカップ5回の優勝歴を誇る。2009年5月31日のフィオレンティーナ戦を最後に引退した時には、敵地のサポーターさえもがスタンディングオベーションを送った。
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