ルカクもレジェンドもCFに決まったスタイルなし。唯一の共通点は「大量に点をとること」
サッカー新ポジション論
第6回:センターフォワード
サッカーのポジションや役割は、時代と共に多様化し、変化し、ときに昔のスタイルに戻ったりもする。現代サッカーの各ポジションのプレースタイルや役割を再確認していく連載。今回は「センターフォワード」だ。歴代レジェンドから現代のルカクまで、さまざまな選手のプレースタイルを紹介する。
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現在、最もCFらしい選手と言えば、ロメル・ルカクだこの記事に関連する写真を見る<唯一の条件は点をとること>
背番号9はセンターフォワード(CF)のナンバーだ。「ファルソ・ヌエベ(偽9番)」がすっかり有名になっているが、偽がいるなら本物もいる。
統計として、ペナルティーエリア内中央付近からのシュートが最も得点になりやすい。当たり前の話のようではあるが、DFのマークが最も厳しい場所で得点するには、それなりの能力が必要だ。誰にでもあるわけではなく、技術や体力だけでも説明がつかない。
プロのスカウトの話によると、「ストライカーに関しては体の大きさも足の速さも決定的ではなく、ただ実際に得点できるかどうかが判断材料だ」と言っていた。理由ははっきりしていなくても、とにかくたくさん点をとれることが重要だそうだ。
現在、CFらしいCFと言えば、ロメル・ルカク(ベルギー)が筆頭だろう。
今季はインテルからチェルシーに移籍して早くも大活躍中。190cm、94kgの体格からして威圧感がハンパない。プレミアリーグのフィジカル自慢のセンターバックが当たりにいっても、てんで歯がたたない。
それでいて速い。名前が売れ始めたころは技術的にまだ粗いところもあり、現在のように完成されたFWではなかったが、足の速さは強烈だった。短い距離よりも長い距離を走る時に顕著で、ロングカウンターをさせたら無敵。途中でDFが体を当てても、かえって弾き飛ばされてしまう。大きなストライドでぐんぐん加速していった。
現在のルカクは万能のCFだ。ポストプレー、ヘディング、コンビネーション、ドリブル突破と何でもござれ。
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