復帰の久保建英に「力強さで成長」の評価。ライバルの特徴と定位置確保の可能性は? (2ページ目)
「このような力強いプレーを(レアル・)マドリード関係者は好む」
スペイン大手スポーツ紙『アス』はそう主張している。
「技術面において久保の才能は疑いようがない。フィジカル面の向上、1対1での激しさという点で課題があったが、その点で成長を示した。久保のマジョルカ2年目は悪くない形で始まった」
率直に言って、久保のコンディションがベストなはずはない。五輪を戦った選手たちは、まだ疲れを引きずる。フィジカルもそうだが、メンタルも重圧を受け、タフな戦いだったはずだ。にもかかわらず、久保はデビュー戦で力の片鱗を示した。
もっとも、ポジションは与えられるものではない。定位置を巡る争いは熾烈を極める。「レアル・マドリードとの契約で出場保証がある」とも言われるが、力なき者が去るのがリーガだ。
たとえばコンゴ系スペイン人アタッカーのムブラは22歳。バルサの下部組織育ちだけに高い技術を有し、ウィングプレーを武器として、昨シーズンは1部昇格に貢献した。ベティス戦も右サイドで先発し、異彩を放った。とにかく馬力がある。敵からボールを奪い取って、カウンターからの際どいシュートなどはパワー満点、攻撃の一画を担っていた。
おそらくムブラは久保の加入でポジションを脅かされ、刺激を受けているのだろう。
「新しいムブラ!」
ベティス戦後、マジョルカの地元紙『ウルティマ・オーラ』は、弾丸のような疾走を繰り返したムブラの成長を賞賛した。マン・オブ・ザ・マッチに近い扱いだった。
久保はまずは定位置確保のため、交代出場の中で結果を残すプレーが求められるかもしれない。チームは4-3-3が基本布陣になりそうだ。そうなると、やはり今はムブラが陣取る右サイドアタッカーが狙い目となる。左で縦に抜け出し、ウィング的にプレーすることもできるが、やはり得意の左足を用いてインサイドに入り、選択肢が多い中でプレーしたいところ。縦一辺倒のムブラよりも、技量は豊富だ。
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