2021.08.20

復帰の久保建英に「力強さで成長」の評価。ライバルの特徴と定位置確保の可能性は?

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 中島大介●撮影 photo by Nakashima Daisuke

「ソン・モイス(マジョルカの本拠地)へ戻ってきた久保に、万雷の拍手!」

 地元紙『ディアリオ・デ・マジョルカ』は、そんな記事の見出しで久保建英(20歳)の"復帰"を祝っている。

 8月14日、ソン・モイス。リーガ・エスパニョーラ開幕節のベティス戦で、久保はマジョルカでの2年ぶりの試合を戦っている。東京五輪の激闘からほとんど休む間もなく、チームに合流してわずか3日。これで出場機会が与えられるところに、クラブの期待の高さが見える。

 今シーズン、久保の目標は明白だ。

<自らの活躍によって、マジョルカを残留させる>

 それは2年前、惜しくも果たせなかった。数字的には2けた得点がひとつの目安になりそうだが、それ以上に、勝負を決める場面でチームを牽引できるか。ゴールに迫って、相手を脅かし、味方を勝利に導く。リーダー、もしくはエースとしての役割が求められる。もはやスペイン挑戦1年目のルーキーではない。
 
 その成功が、ひいてはレアル・マドリードに呼び戻されることにつながるだろう。はたして、久保はマジョルカの王となれるのか?

マジョルカに復帰し、開幕節ベティス戦に途中出場した久保建英マジョルカに復帰し、開幕節ベティス戦に途中出場した久保建英 この記事に関連する写真を見る  ベティス戦。先制したマジョルカがセットプレーから同点に追いつかれた直後の後半15分だった。

 拍手の中でピッチに立った久保はさっそく、左サイドで戦局を動かす。ドリブルに腰の強さを感じさせた。マルティン・バリエント、ダニ・ロドリゲス、イドリス・ババなど2年前のチームメイトが多いこともあって(先発は6人が2年前の在籍選手だった)、ボールが自然と集まった。

 ハイライトは、ジョルディ・ムブラに代わってラゴ・ジュニオールが入り、久保が右サイドへ回ってからだ。

 ベティスのコートジボワール人MFポール・アコウコウが、足ごとかっさらうような荒っぽいタックルを仕掛けてきたが、久保は見事な呼吸で入れ替わってパスを受ける。そのまま、力強い推進力で前に出ていった。後ろからしつこく足を削られたが、それでも果敢に前へ出て、敵ゴール前でファウルを受けた。自らが蹴った左足でのFKはバーを越えたものの、ほとんど一人でチャンスを作った。