バイエルン、M・シティ優位は本当か。CL決勝T全カードの見どころ (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Reuters/AFLO

 一方、アトレティコは2トップを形成するジョアン・フェリックスとルイス・スアレスの関係が、すこぶる良好だ。ディエゴ・シメオネ監督のサッカーも、ますます守備力が上がっている。負けにくいサッカーになっている。守備的になりすぎている嫌いがなきにしもあらずだが、ブックメーカーの低評価を考えると、アトレティコは「買いたくなる」チームだ。

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 PSGと対戦するバルサはここに来て調子が上向いている。リーグ戦は7連勝中。出だしで躓(つまづ)いた分を挽回しつつある。昨季、一昨季より期待は持てる。フレンキー・デ・ヨングが中盤の大黒柱に成長。守ってよし、攻めてもよしのオールラウンダーとして、能力を発揮している。沈滞していたムードが、活気づいてきた原因と思われる。

 対するPSGは、トゥヘルからマウリシオ・ポチェッティーノに監督を変えたことで、持ち直しているが、フランスリーグでは現在2位。リールに先行を許している。

 昨季のCLファイナリストだ。順番的に言えば、今季は優勝に近い位置にいるはずだった。あと一息というところまで漕ぎつけたわけだが、現在はそこからやや後退した。ブックメーカーはPSG有利と予想するが、筆者は逆ではないかと見る。優勝争いに大きな影響を与える一戦であることは間違いない。

 一昨年の覇者、リバプールはここに来て国内リーグ3連敗。M・シティに13ポイント差の4位に後退。プレミア優勝は難しい状況になった。上位勢の中では最も勢いに欠けるチームと言える。

 2月17日に対戦する相手は、人気薄のライプツィヒだが、地力は人気以上についている。リバプールはチャレンジャーの立場では無類の強さを発揮するが、受けて立つと脆さを露呈させる時がある。ライプツィヒはリバプールにとってやりにくい相手。番狂わせの可能性なきにしもあらず、だ。

 アタランタと対戦するレアル・マドリードは、まだ安心して見ていられる状態にはない。欧州一の座に復帰するにはまだ時間がかかるように見える。リバプール同様、番狂わせを食らう可能性もありだ。

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