レアルのアザールが久々に活躍。前線で見せた機転が秀抜だ (2ページ目)

  • 篠 幸彦●文 text by Shino Yukihiko
  • 西村知己●イラスト illustration by Nishimura Tomoki

◆欧州CLラウンド16展望。ベスト8に勝ち進むのはどこか?>>

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相手を引きつけてからフリックパスをベンゼマへ

 まずポイントになるのが、モドリッチの縦のスペースへのランニングである。相手の左サイドバック(SB)の裏を取る動きに、アラベスの左センターバック(CB)のフロリアン・ルジュンが釣り出された。それを見て反応したのがアザールである。

アザールはフリックパスでベンゼマへボールを入れ、ゴールにつなげたアザールはフリックパスでベンゼマへボールを入れ、ゴールにつなげた ルジュンの空けたスペースにすかさず走り込み、ルーカス・バスケスからパスを要求。ルジュンが釣り出されたため、ベンゼマのマークに付いている右CBビクトル・ラガルディアがスライドせざるを得ない状況となった。これがアザールの狙いだ。

 そしてアザールは、パスを要求しながら一瞬背後を見ている。ベンゼマの位置を確認していたのだ。そこへルーカス・バスケスからグラウンダーのパスが入ると、右足をかすかに当ててベンゼマへフリックパス。

 アラベスの右SB、シモ・ナバーロの中への絞りが遅れたため、ベンゼマはフリーの状態でボールをコントロールできた。ベンゼマは軽くボールを押し出すと、すぐにゴール左上角にコントロールシュートを突き刺した。

 アザールは前半アディショナルタイムには、ベンゼマが空けたスペースに走り込んで、相手DFラインの裏へ抜け出し、見事なゴールを決めている。チェルシー時代のような王様ではなく、この試合のようにベンゼマとのコンビネーションが、レアル・マドリードでの居場所なのかもしれない。

 ふたりのコンビがより洗練されれば、ラ・リーガで新たな脅威になるのは間違いない。

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