2020.09.24

久保建英と乾貴士をスペインの名伯楽が分析。「乾はMOM級だった」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

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「試合を通じ、乾(貴士)は際立ったプレーを見せ、久保(建英)も与えられた少ない時間で存在感を示していた」

 スペインを代表する指導者のひとりであるミケル・エチャリは、今シーズン最初の"日本人対決"となったビジャレアル対エイバルをそう総括している。

 エチャリは過去にレアル・ソシエダ、エイバル、アラベスという有力クラブで、監督だけでなく、ヘッドコーチ、強化部長、育成部長、戦略分析、スカウトなど、あらゆる職務を経験してきた。昨年、15年以上にわたって務めたバスク代表監督の座をハビエル・クレメンテに譲って退任。現在はバスクサッカー連盟指導者委員長として、指導者養成にあたっている。

 そのエチャリは、この一戦を通じ、乾、久保の2人をどのように分析したのか――。『Sportiva』では、日本代表に関するスカウティングリポートを10年以上にわたって続けているが、今回はリーガの日本人選手についての番外編である。

試合後に握手をかわす乾貴士(エイバル)と久保建英(ビジャレアル)「ビジャレアルは4-4-2、エイバルは4-1-4-1の布陣で激突している。ビジャレアルは縦への速さに特徴のあるスタイルで、パスをつなぎ、ボールを運び、プレー方向を変化させ、ペースをつかむ。一方、エイバルは両ワイドの選手が絞って中盤の守備に厚みを加え、自由を与えず、高いラインを保つことで多くのオフサイドを取るなどし、ダメージを最小限にしていた。

 後半になって、粘り強い守備でリズムを作っていたエイバルが先制点を決めている。中盤で相手からボールを奪うと、乾がそれを拾い、ターンから確実にエドゥ・エスポジトへつなげる。そして、スルーパスからキケ・ガルシアがGKとの1対1を決めた」

 エチャリは試合の流れを簡潔に明快に説明し、乾について詳しく記述している。

「乾はエイバルの戦術において、キーマンになっていた。左サイドをスタートポジションにしつつ、守るときには中央のコースを封鎖。また、相手右サイドバックのマリオ・ガスパールの攻め上がりも封じ込めていた。先制点における守から攻のつなぎも満点だった。