武藤嘉紀、エイバルへ。泥臭く戦うチームで求められる役割は?

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by AFLO

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ニューカッスルからエイバルへの期限付き移籍が発表された武藤嘉紀ニューカッスルからエイバルへの期限付き移籍が発表された武藤嘉紀「武藤がエイバルの前線を強化する!」

 スペインの大手スポーツ紙『マルカ』は、そう報じている。

 9月16日、リーガ・エスパニョーラのエイバルは、プレミアリーグのニューカッスルに所属する日本代表FW、武藤嘉紀(28歳)を期限付き移籍で獲得したことを発表した。期間は2020-21シーズン終了まで、背番号は12に決まった。すでに在籍する乾貴士とは、日本代表としてロシアワールドカップでともに出場。同一チームに複数の日本人選手が在籍するのは、リーガ史上初めてのことになる。

 ドイツ、イングランドを渡り歩いてきた武藤は、新天地スペインで輝くことができるのか?

 エイバルは1部残留を目指し、有力なストライカーを探し求めていた。

 昨シーズン、チームで2番目に多い得点を記録したブラジル人FWシャルレスは36歳と高齢なこともあって、契約を解除した。得点数トップはチリ代表MFのファビアン・オレジャーナで、こちらは同じ1部のバリャドリードに売却した。後釜として、元バルサのスペイン人FWサンドロ・ラミレス(エバートン)などにアプローチしていたが、資金的に苦しいだけに、契約に至らなかった。開幕戦はホームにセルタを迎えたが、決定力を欠いてスコアレスドローだった。

 FW武藤は救世主として迎えられることになる。それだけに、ゴールという結果が求められるだろう。

 その点で不安があるのは確かだ。

 過去2シーズンの合計で、武藤はリーグ戦1得点、カップ戦1得点に終わっている。今シーズンはニューカッスルで構想外になっていた。数字は雄弁で、現地メディアはどこもこのことを厳しく指摘している。

 武藤はストライカーとして非凡な能力を持っている。テクニック、パワー、スピード、インテリジェンスなどを総合的に持ち合わせており、真ん中だけでなく、サイドでもプレーできる。ブンデスリーガの3年目には、マインツで二桁得点を記録(カップ戦を含む)。そのポテンシャルは高く、ロシアワールドカップでもポーランド戦でピッチに立っている。

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