久保建英がスペインに渡る20年前。アトレティコと契約した日本人少年がいた (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by YUTAKA/AFLO SPORT

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「スペインは試合が盛り上がるし、"ここでやりたい"と思いました」

 玉乃はそう振り返っている。

 この試合で、彼はいくつかのオファーを受けた。そして、環境のよさそうなアトレティコとの契約を決めている。久保建英(マジョルカ)がバルセロナに見初められたように、そのプレーが認められたのだ。

 玉乃は1年目から、攻撃の中心としてプレーした。8得点11アシスト。その後、欧州最高のストライカーのひとりになったフェルナンド・トーレスと2トップを組んだ試合もある。

「ジュン(玉乃)のことを忘れるはずがないよ! トーレスはユースやトップに召集されることが多かったから、僕がジュンと2トップを組んでいたのさ。あいつのアシストでたくさん点を取った」

 当時のメンバーで、スペイン代表にもなったFWマヌ・デル・モラルはそう証言していた。1984、85年生まれの選手で構成されたチームは、無敵の強さを誇ったという。招待大会は連戦連勝で、中田英寿がローマにいた時代のユースに5-0で勝ったこともあった。

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