フィルミーノは「偽9番」以上の働き。リバプールのエンジンはここが凄い (2ページ目)

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji
  • photo by Getty Images

無料会員限定記事

 シティのように確実にショートパスで押し込んでいくのではなく、ロングパスをカットされても構わない。そこでハイプレスを仕掛けて奪い返し、2次攻撃をかけるのが目的だからだ。相手は奪ったボールを直後に奪い返されると、守備には綻びができている。攻撃のポジショニングと守備では動きが逆になるからだが、その守備側の弱点を誘発するのがリバプール戦法の核になっている。

 クロップの戦法は、例えばシティが手間をかけて15本のパスを紡いでいくところを、1本のロングパスで代用している。手間を省いているわけだが、その分押し上げていくMF、DFの体力は必要だ。そして、失ったボールをすかさず執拗に追う、攻守の切れ目のないFWの姿勢が必須である。

 フィルミーノはその点でリバプールのインテンシティの高い戦法の象徴であり、チームの「エンジン」といえる。

<偽9番の系譜>

 2017-18シーズン以来、フィルミーノはクロップ監督のファーストチョイスの「9番」になっている。戦術的には「偽9番」だ。センターフォワード(CF)の位置から中盤に引いて、ゲームをつくりながら得点に絡んでいく。

全文記事を読むには

こちらの記事は、無料会員限定記事です。記事全文を読むには、無料会員登録より「集英社ID」にご登録ください。登録は無料です。

無料会員についての詳細はこちら

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る