吉田麻也、サンプドリアへ移籍してすぐにイタリア語で取材陣を笑わせる (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

 吉田を囲む日本の取材陣の輪に、ひとり地元ジェノバのイタリア人記者が入ってきた。日本語を解さない彼と、片言の単語でコミュニケーションをとる。その記者は「ドシャブリ」という妙な語彙で吉田を笑わせると、満足した様子だった。ひとしきりそんなやり取りが終わると、吉田はイタリアで取材をする日本人ジャーナリストたちに頭を下げた。

「吉田です。よろしくお願いします!」

 トリノ戦を見た吉田の印象は、プレミアリーグを始め多くの舞台で戦ってきた選手ならではのものだった。

「ほとんどテレビでカルチョを見ることはなかったんですけど、サッカーは全然違いますね。やはりスピードも違うし、求められているものも違う。そこに早く順応することがカギかな、と」

 具体的に、その違いとはどのようなものか。

「縦への速さが違うかな。ボールを失わないようにポゼッションすることが多いですね、こっちは。無理をしない。イングランドでは、奪ったボールをすぐに前につけないと、もうスペースがなくなるけど、こっちは無理して前につなぐよりも、まずボールをポゼッションすることが結構多い。後ろはそんな難しいことは求められないけど、しっかり守ることがすごく求められると思う」

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