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南野拓実には覚悟がある。
「ピッチに立たないと見えない景色がある」 (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO


 4−3−3の左FWとして、南野はタッチライン際まで開いてボールを受けたり、サイドから中央に移ってパスを引き出したりと、精力的に走り回った。さらに、味方が後方部でボールを持つと、手を上げながらDFラインの裏に抜ける動きでスルーパスを要求。チャンスを作り出そうとトライを続けた。

 しかし、まだ周囲と呼吸が合わない。

 スムーズな連係を奏でる場面は少なく、前半終了時には、動き方を巡って左サイドでコンビを組んだSBのアンドリュー・ロバートソンからレクチャーを受けた。ポジションを4−4−2の右MFに移した後半も連係面での難しさは変わらず、南野の特性が生かされたり、あるいは生きたりする場面は少なかった。南野は語る。

「僕は(左右MFの)どっちでもプレーできますけど、『どっちのサイドでプレーするか』を考えるより、サイドバックの選手と『自分のやりたいこと』と『相手のやりたいこと』を、もうちょっとうまく共有していければ、もっとやりやすくなるかなと。まあそれは(まだ加入したばかりなので)しょうがないですけど。そういう部分を見つけながらやっていければいいと思います。

 後半の立ち上がりは、フロントボランチ気味というか中盤っぽい位置でプレーしたんですけど、効果的にボールを引き出すところまではいかなかったです。試合を落ち着かせるところで、もうちょっと前を向いて、ボールを受けられたらチャンスになっていたと思う。ポジショニングとか、もうちょっと(ベストの位置を)早く見つけられたらなと思いました」

 リバプールは、昨季チャンピオンズリーグと今年12月のクラブワールドカップを制した。チームとしてすでに完成の域に達しており、既存の選手たちも阿吽の呼吸でプレーできている。それゆえ、新加入選手がスムーズな連係を奏でるようになるには、相応の時間が必要だろう。南野も例外ではないということだ。

 さらに、マネの負傷で突然出番がまわってきたことや、前半の時点で南野がふくらはぎに違和感を覚えていた影響もあった。クロップ監督が「タキ(南野の愛称)には本当に難しかったと思う」と語ったように、リーグ初出場としては難易度の高い試合だった。

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