西川潤、バルサ移籍へ秒読み。2人目の日本人を獲得する狙いとは (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by AFLO

 痛しかゆしで、バルサBは結果を出すほど戦力ダウンを余儀なくされるのだ。そこで、即戦力になる選手と将来性のある若手を、冬のマーケットで補充する必要を迫られている。

「昇格に向け、バルサは"革命"を準備」

 スペイン大手スポーツ紙『マルカ』は、そんな小見出しで報じている。育成部長であるパトリック・クライファート、バルサBの技術委員長のホセ・マリア・バケーロの動きは活発だ。

 即戦力としての獲得になりそうなのが、アルバニア代表FWのレイ・マナイだろう。まだ22歳ながら、インテルやグラナダなど6チームを渡り歩き、今シーズンは2部のアルバセテで3得点を挙げている。バルサBはアレハンドロ・マルケス、アベル・ルイスの2人の9番タイプが不振で(ルイス・スアレスがケガにより今シーズンの復帰は絶望的となり、2人にはトップ昇格の可能性もある)、安部が1トップを務める状況だけに、ひとつのオプションとして期待される。

 もうひとりの即戦力候補が、21歳のブラジル人MFマテウス・ペレイラだろう。現在はユベントスからの期限付き移籍で、フランス1部ディジョンに在籍。左利きで、ボランチだけでなく、左サイドでもプレーできる。マルケスとの交換トレードになる可能性もあるという。

 そして西川と同じく有望な若手としては、アルゼンチン人CB、サンティアゴ・ラモス・ミンゴとの交渉も続けている。18歳の左利きで、バルサBのウルグアイ人CBセルヒオ・アラウホがトップに帯同した場合、補強は急務だ。所属先のボカ・ジュニアーズは引きとめに必死だが、『エル・ムンド・デポルティボ』紙は「ほぼ契約済み」と報じている。

 バルサの強化策は明らかである。

<バルサのプレー環境で逸材選手の能力を引き上げ、昇格を狙う。同時に、頭角を現した選手はトップチームへ。トップでは力が足りない選手も、市場価値を上げ、欧州の有力クラブに高く売り払う>

 バルサBの課題は、来月で28歳になるセルジ・ロベルト以降、下部組織出身の選手がトップに定着できていない点にあるだろう。

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