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リーグ・アン後半戦、不気味なモナコ。
屈指の破壊力で台風の目となる (2ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Getty Images



 こうなると、もはやフランス国内ではPSGに対抗できるようなチームは存在せず、後半戦もそのまま独走してリーグ3連覇を果たす可能性は高い。

 今シーズンは守護神ケイロル・ナバスを筆頭に、イカルディ、パブロ・サラビア、イドリッサ・ゲイェ、アブドゥ・ディアロ、アンデル・エレーラといった即戦力を大量補強し、選手層の厚みが増している。フランスカップとリーグカップを含めた国内三冠も濃厚、と見ていいだろう。

 優勝の行方とは対照的に、2位、3位に与えられるCL出場権争いについては、昨シーズン同様に最後まで予測不能な展開が続きそうだ。

 現状、そのポールポジションに立っているのは、2位のマルセイユ。だが、それを追うレンヌとリールもマルセイユと互角の実力者である。また、前スペイン代表監督のロベルト・モレーノを新監督に迎え入れて士気上がるモナコもダークホース的な存在だ。

 まず、戦前の予想を覆す好調ぶりで2位につけているマルセイユは、11月に入ってから6連勝を含めて8戦無敗で前半戦を終えたことが大きかった。

 とくにPSGに完敗したあとのリール戦とリヨン戦で、試合内容はよくないながらも相手の自滅もあって2連勝したことが転機となり、以降はエースのディミトリ・パイェが抜群のパフォーマンスでチームを牽引。それまで定まっていなかったアンドレ・ビラス・ボアス監督の戦術も、メンバーをほぼ固定したことで安定するようになったのが好調を維持できたポイントだ。

 後半戦に向けた好材料としては、負傷により長期の戦線離脱を強いられていたフロリアン・トヴァンの復帰が確実視されている点が挙げられる。これにより、4−3−3の両ウイングは左にパイェ、右にトヴァンを配置できるため、得点力がアップすることは間違いないだろう。

 そのマルセイユを追うレンヌとリールは、ヨーロッパのカップ戦で敗退しているため、後半戦はリーグ戦に集中できる。

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