2020.01.10

リーグ・アン後半戦、不気味なモナコ。
屈指の破壊力で台風の目となる

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Getty Images

 王者パリ・サンジェルマン(PSG)が首位で折り返したリーグ・アンが再開する。シーズン前半戦は例年に比べて波乱含みの展開となっただけに、後半戦も予断を許さない戦いが続きそうだ。

 そんななか、2位に7ポイント差をつけて首位を走るPSGは、その数字とは裏腹にシーズン序盤は低調な試合が続いていた。

得点ランキングトップのウィサム・ベン・イェデル 主な原因は、ネイマールの移籍騒動と故障者の続出。とりわけ、ネイマールがチームに残留するかどうかはトーマス・トゥヘル監督のチーム作りに大きな影響を与えるだけに、PSGにとっての実質的な開幕は、夏の移籍市場が閉じたあとの第5節(9月14日)となった。

 ところが、それ以前の第3節トゥールーズ戦で「MCNトリオ」のキリアン・エムバペとエディンソン・カバーニが揃って負傷。残留が決まって第5節から登場したネイマールと入れ違いで戦線を離脱することとなり、しばらくは主力不在のまま戦わざるを得ない状況が続いたのである。

 こうなると、指揮を執るトゥヘル監督もお手上げ状態となり、試合中も頻繁にシステムを変更した昨季のような多彩な戦術を使いこなす手法から一転、今季はシステムを4−3−3に固定。ほとんど戦術の植えつけを行なわないまま戦うことを強いられた。

 そんなトゥヘルが本格的にチーム作りに着手したのは12月。エムバペが2度目の負傷から完全復帰してからのことだった。

 それまでほとんどシステムを変えることがなかったトゥヘルは、第17節(12月7日)のモンペリエ戦でエムバペとマウロ・イカルディを2トップに配置する4−4−2を採用。それまでアタッカー4人を同時起用することを拒み続けていた指揮官が温めていた新戦術をお披露目すると、ようやく本来の強さを発揮して連勝街道をひた走ることとなった。

 ちなみに、4−4−2に変更してからのPSGは、リーグ戦、チャンピオンズリーグ(CL)、そしてふたつの国内カップ戦も含めた7試合で計32ゴールを記録。1試合平均4.57ゴールという驚異的な得点率で勝ち続けている(1月8日のリーグカップ準々決勝までの記録)。