宮市亮、丸1年以上負傷なく連続出場。
1対1にかける意気込みを語る

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

 ブンデスリーガ2部、ホームのザンクトパウリがボーフムと1-1で引き分け、宮市亮はフル出場した。

ボーフム戦にフル出場した宮市亮(ザンクトパウリ)ボーフム戦にフル出場した宮市亮(ザンクトパウリ) 長い間負傷に苦しんできた宮市だが、今季はここまでリーグ戦全試合に出場し、うち12試合はフル出場を果たしている。昨シーズンの序盤から試合に出られる状態に戻っており、9月のインゴルシュタット戦で途中出場すると、以後はコンスタントに試合に出ている。つまり、丸1年以上も負傷のニュースがない。

 珍しい話ではないが、宮市にとってはプロになって初めてのこと。そして、彼自身が何よりも望んでいたことでもある。とはいえ、いまの宮市は、それだけで満足というわけにはいかない。

 ボーフム戦で、宮市は得点に関わることはできなかった。ザンクトパウリはこれでドイツ杯を含めて6試合勝利がない。一部昇格を狙うチームとしては正念場である。

「今日も早い時間に失点しちゃって、前半のうちに1対1になってよかったですけど、ちょっと難しい試合だったかなと思います」

 この日は右MFで出場した宮市だったが、前半はいかんせんボールが回ってこなかった。宮市と縦の関係を作らなくてはいけない右SBのセバスティアン・オルソンが上がりすぎたことが、ボールの入らない原因のひとつだったという。オルソンが上がることで、その分、宮市が守備に回ることになり、本来の役割と変わってしまった。

「ハーフタイムに監督は右サイドバックにめっちゃ怒ってました(笑)。ちょっと自重しろと。『もっと右サイドのリョウのところで1対1を作っていけ』と言われていた」

 後半になると、監督のカミナリが応えたようで、オルソンはほとんど前に上がらなくなった。本来のポジションにいることで、宮市にボールが入る回数は増えた。だが、この日は相手SBとの攻防で止められるシーンが目立った。

「1対1の場面もあったんですけど、半々くらい負けちゃったかなという感じです。もっと1対1で勝っていければ、チームも変わるかなと思います」

 対峙したボーフムの左SBは、足を出してくるタイミングが他の選手に比べて早かったと言う。「(左SBの)ダニーロ(・ソアレス)はブラジル出身だからなのかな」と、何度も首をひねっていた。

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