2019.10.25

レアル、バルサはCLで格下に辛勝。
序盤はスペイン勢の低調がやばい

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Reuters/AFLO

 だが、最終スコアは2-1。終盤は押し込まれ、危ないシュートを立て続けに被弾する、終わり方の悪い辛勝だった。ベストメンバーで臨んだ試合だけに、レアル・マドリード以上に心配になる。

 リオネル・メッシは活躍した。採点するならば8は出せる高級なプレーを披露した。しかし一方で、苦戦の原因を探ろうとすると、メッシの存在を一番に挙げざるを得ない。

 バルサは左からグリーズマン、ルイス・スアレス、メッシが構える3FWだ。しかし、メッシが右ウイングとして構える時間は10分もなかった。そのほとんどを1トップ、スアレスの下で構えた。つまり、右サイドの前方には誰もいない時間がほとんどだった。右SBのネルソン・セメド、右インサイドハーフ、フレンキー・デヨングが、その穴を取り繕うとするのだが限界がある。

 バルサは後半5分に同点ゴールを奪われるのだが、心配したとおり、失点の原因は右サイドで相手にプレッシャーを掛けられなかったことにある。ニコラエ・スタンシウが、そこから余裕を持って精度の高い対角線パスを送球したことが、ヤン・ボリルのゴールを生んだ最大の要因だった。

 攻撃に関して言えば、真ん中から左にグリーズマン、メッシ、スアレスの3人が固まることになった。ここで割を食うことになったのがグリーズマンで、メッシの活躍を傍観しているだけの状態になった。そして後半24分、交代の一番手として、ピッチを去ることになった。準バロンドール級の高い能力が、バルサの新たな魅力としてピッチに反映されることはなかった。

 交代で入ったウスマン・デンベレは「大活躍のメッシ」と交代すべきではなかったか。デンベレをメッシに代えて右ウイングに据えた方が、全体のバランスは遥かに整う。高い位置からプレスはきれいに掛かる。むしろ戦力はこの方がアップする。そう言いたくなるほどだった。

 バルサが昨季の準決勝で敗れた相手リバプールは、3FWがバランスよく配置されている。モハメド・サラーはその8割近い時間、右サイドでプレーする。相手ボールになった瞬間、穴ができない仕組みになっている。高い位置からプレスはキチンと掛かる。この差を埋めない限り、バルサはリバプールに勝てないのではないか。スラビア・プラハ戦を通してその想いはより強くなるのだった。