長谷部誠がドルトムント戦で存在感。
鎌田大地の幻ゴールを気にかける
ブンデスリーガ第5節、フランクフルト対ドルトムントの一戦は2-2で引き分けた。
フランクフルトは前節のアウグスブルク戦、3日前のヨーロッパリーグ・アーセナル戦と2連敗しており、チームを立て直す意味でも重要な試合。ドルトムントという上位チームを相手に、最低限の勝ち点1を手に入れた。
一方のドルトムントは、この日の結果によって首位ライプツィヒに勝ち点差3の3位に。5日前のチャンピオンズリーグでは、ホームでバルセロナ相手のスコアレスドローに続いて2試合連続の引き分け。主将であるマルコ・ロイスは衛星放送スカイのインタビューに対して、「本気で言っています? この2-2はメンタルの問題だと言うのですか」とつっかかり、苛立ちを隠せなかった。
ドルトムント戦にキャプテンマークを巻きフル出場した長谷部誠(フランクフルト) そんなロイスと対照的だったのが、この日、筋肉系の負傷を抱えているダビド・アブラームに代わってキャプテンマークを巻いたフランクフルトの長谷部だ。アーセナル戦から4人の先発メンバーを入れ替えたチームのなかで、長谷部がキャプテンを任されたことは、あらためてアディ・ヒュッター監督からの厚い信頼を感じさせた。
試合の序盤、フランクフルトはホームながら前からボールを取りに行くことはせず、相手の攻撃を受けて立つことを選択した。ところが、DF同士の距離感が悪く、容易にスルーパスを通され、裏にも走られた。防戦一方のなか、せっかくボールを奪い返してもパスミスを繰り返した。
フランクフルトは先制されて前半のうちに追いつき、いったんは勝ち越しされたものの、試合終盤に追いつくという展開になった。そんな試合を長谷部が振り返る。
「2回追いつく形で、相手もドルトムントだったので、勝ち点1を拾えて、よしとしなければいけない結果と思います。前半は少し自分たちが相手をリスペクトしすぎて臆病になってしまった。途中から自分たちがやれるという感覚をみんなが得て、少し行けるようになりました」
ドイツでプレーする日本人選手の多くが、バイエルンやドルトムントとの対戦で、ドイツ人の選手が無条件に萎縮してしまうことを、少し不思議そうに説明してくれる。この日のフランクフルトも例外ではなかったが、慣れていくにしたがって修正できるようになった。
1 / 2