気負いはなし。オランダAZへ移籍の菅原由勢はとにかくポジティブだ (2ページ目)
そして結果的に、走り続けたことが得点につながった。ペナルティエリア付近に入り込んでいた菅原に、エリア内の右サイドにいたステングスからマイナスのパスが送られた。フリーの菅原は右足で蹴り込み、ネットを揺らした。
「なんであそこにいたか? わからないです。サイドバックだったんですけど、前半は攻撃の枚数が足りてないと感じていましたし、上がってもパスが来ない時もありましたけど、信じて走り続けていられました。そういうときに、最後にケルヴィンが出してくれました。試合中、あきらめずに何度も走り続けると、ボールが転がってくるということを、自分自身、実感できました」
ガンバ大阪からトゥウェンテに移籍した同じ19歳の中村敬斗が、前日のPSV戦で決めた得点も刺激になっていた。
「絶対に聞かれると思っていました(笑)。ライブで見ていました。8分で点決めて、鳥肌が立って『やりよったな』と。それがあったからというわけじゃないですけど、やっぱり僕たちの世代から、上の世代を驚かせていかないといけないと思います。彼とは15歳から一緒に励まし合っていますし、海外に来てもまたプレーで励まし合えるというのは、本当にいい関係性があると思います。まだこうやって海外に来られる選手がいっぱいいると思うので、僕たちも頑張りたいです」
「まだまだこれから」「すべてが経験」......。菅原の言葉はポジティブで、明るさに満ちていた。そんな姿は、何より見る者をワクワクさせる。こうした若手選手の登場は、ベテランたちにもそんな気持ちをもう一度取り戻させる、フレッシュな刺激となるのではないだろうか。
2 / 2