久保建英と安部裕葵の主戦場。スペイン「2部B」のレベルは?
スペインに渡った久保建英と安部裕葵。ふたりはそれぞれレアル・マドリード、バルセロナに在籍するが、当面はそのセカンドチームで研鑽を積む可能性が高い。いわゆるカスティージャとバルサBだ。
両チームが所属するリーグは日本で「3部」と紹介される。3番目に高いカテゴリーという点では3部である。しかし3番目ではあっても、3部リーグではない。「2部Bリーグ」。スペイン語では「Segunda B(セグンダ・ベー)」と呼ばれる。
「セグンダB」は1978年、2部と3部の間のリーグとして創設された。当初はふたつの地域で行なわれていたが、現在は拡張し、4つの地域に分かれている。4×20チーム=80チームが所属。日本で言えば、J3が4つの地域にあるような状況か。ちなみにその下の3部(実質4部)は18地域に分かれているので、JFLが18つあるようなものだ。そんな下部リーグの厚みにこそ、リーガ・エスパニョーラの強さの深淵がある。
久保、安部が挑む「セグンダB」はどのような舞台なのか。
バルセロナで囲み取材に応じる安部裕葵 高齢やケガで力は落ちたが、経験豊富な手練れ。未成熟さを残すが、野心的で鋭い動きができる若手。あるいは神童の誉れ高かった選手が再起を期す。さまざまな事情の選手が入り乱れるリーグと言える。
<プロとしての生き残りをかけた修羅の場>
それが一番、ふさわしい表現かもしれない。ここでの戦いによって、プロ選手としての価値が判断される。スペイン国内でトップクラスに上りつめる選手もたいてい一度は経験している。スタートの場所であり、土俵際でもあるのだ。
その試合は、1部リーグの選手よりも技術的には落ちるため、かなり荒っぽいプレーが多くなる。単純にフィジカルコンタクトが激しい。そこで相手より優位に立つための技術やスピード、もしくは駆け引きの力が試される。
リオネル・メッシも、16歳で「セグンダB」を主戦場にし、タックルの集中砲火を浴びている。しかしそれを怖れず、かわし、前にボールを持ち運べた。そして、17歳の時には堂々とトップデビューを飾っているのだ。
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