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VARだけじゃない。コパ・アメリカを
騒がす予言。占い師まで登場

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳translation by Tonegawa Akiko

 ブラジルが宿敵アルゼンチンを破って決勝進出を果たしたことで、ようやく熱くなってきたコパ・アメリカ。開催国では決勝戦を前に、こんな話題で盛り上がっている。

VARをめぐって論議沸騰

 今大会からVAR判定が導入されたコパ・アメリカ。決勝を前にこれが大きな問題となっている。

 規則では、本当にジャッジが困難なときにのみVARを利用することになっているが、今回はこのVAR判定によって勝敗が大きく左右される試合があまりにも多かった。逆に、準決勝のブラジル対アルゼンチン戦ではVAR判定をしなかったことで、アルゼンチンサッカー協会はCONMEBOL(南米サッカー連盟)に正式な抗議を申し入れている。

 また、もうひとつの問題は、VAR判定のために、試合が何度も中断されてしまったことだ。なかには選手たちが9分間も待たなければならないケースもあった。南米のサッカーは、エモーショナルな部分でプレーすることも大きい。たびたび中断されれば、選手の熱い気持ちも冷めて、テンションも切れ、試合の流れ自体が変わってしまう危険性もある。サポーターも白けてしまい、醍醐味を大きく損なうことになりかねない。FIFAも今大会でVAR判定の負の部分に注目するようになり、今後の対策を協議するという。

ブラジル国民の支持を取り戻したセレソン(ブラジル代表)の面々 photo by Watanabe Kojiブラジル国民の支持を取り戻したセレソン(ブラジル代表)の面々 photo by Watanabe Kojiダフ屋規制でブラジルは変わるか

 サッカーがすでに100年以上も前から興行として成立していたブラジルは、世界のどこよりもダフ屋が横行している国でもある。

 ダフ屋はブラジルでは「カンビスタス」と呼ばれる。彼らがいったいどこから、重要な一戦のチケットを何百枚も用意できるのかは謎だが、スタジアムの前でチケットを売る彼らの姿は、ブラジルでは当たり前の光景でもあった。もちろん、彼らが売るチケットの値段は、本来のものとは大きくかけ離れており、2014年のブラジルW杯では準決勝のチケットが約5000ドル(約55万円)、決勝となると1万ドル(約110万円)を払う人もいた。

 だが、今回のコパ・アメリカでは初めてこのカンビスタスに規制が入った。一番人気となったブラジル対アルゼンチン戦では、3日前から警官がスタジアム周辺を巡回。44人のカンビスタスが逮捕され、2500枚近くのチケットが押収された。うち300枚は偽チケットだったし、それ以外にもドラッグ、偽札、ナイフ、ピストルまでも押収された。

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