コパ・アメリカ中間総括と優勝予想。
ブラジルの救世主は小さな玉ねぎだ (2ページ目)
アルゼンチンに問題があることは、0-2で敗れた初戦のコロンビア戦からすでに見て取れた。偉大なリオネル・メッシはピッチで迷子になり、マンチェスター・シティのニコラス・オタメンディは、その日プレーした選手のなかで最悪のパフォーマンスを見せた。
監督のリオネル・スカローニはたぶん大会後、その任を解かれると思われる。ラウタロ・マルティネスは交代時に監督との握手を拒み、ベンチでチームメイトと口論していた。結局グループステージの結果は1勝1敗1引き分け。カタール相手に苦労してもぎ取った1勝でどうにか決勝トーナメントに勝ち進み、メンツを保ったが、これからはそうは簡単にはいかないだろう。
ブラジルはこの大会中に大きな変貌を遂げた。それもかなりポジティブな方向に。
チームの柱であったネイマールの欠場は、なんだかんだと言って、やはり大きな痛手だった。初戦ではボリビアに3-0で勝ったが、サポーターはブラジルにブーイングを浴びせた。ベネズエラとの0-0の試合もブラジルに平安を与えてはくれなかった。罵声に不信、数多くの問題点......大会中のチッチ監督交代の是非も真剣に議論された。
これらの疑念をすべて吹き飛ばしたのは、思いもかけない選手だった。エベルトン・セボリーニャ。ブラジル国内でプレーする(グレミオ)数少ない代表で、今回初めて、大舞台でカナリア色のユニホームをまとってプレーした23歳だ。ブラジルは彼を中心に完全に生まれ変わり、かわいそうなペルーは5点を奪われてしまった。ちなみにセボリーニャとは彼のニックネームで、ポルトガル語で「小さな玉ねぎ」の意味。次世代のネイマールとも呼ばれる、小さな玉ねぎ君が、ブラジルのアイドルとなりつつある。
今回、最高のチームのひとつは掛け値なしにウルグアイだ。たぶん、一番完璧で一番南米らしいチームかもしれない。攻めも守りも完璧だった。ウルグアイサッカーの特徴である闘志と力と勇猛さがよく出ていた。
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