ネイマールにまたスキャンダル。主将剥奪でコパ出場にも懐疑の声 (2ページ目)

  • 沢田啓明●文 text by Sawada Hiroaki
  • photo by AFP/AFLO

 その後、ネイマールは今年1月に右足首を骨折。4月下旬にはクラブの試合に復帰したが、フランスカップ決勝でレンヌに敗れると、試合後、相手チームのファンの頭を小突いて処罰を受けた。ブラジルメディアからは、「27歳にもなって、まだ"甘やかされた男の子"のまま。こんな未熟な男がセレソンの主将であってはならない」という声が噴出し、「コパ・アメリカへ招集すべきでない」という意見まであった。

 5月17日、チッチ監督はコパ・アメリカに出場する23選手を発表した。そこにはネイマールも含まれていたが、「引き続きネイマールに主将を任せるのか」という質問には、「彼は過ちを犯した。まず、本人と話をする」とだけ答えた。

 そして、5月25日にネイマールが代表合宿に加わると、すぐに彼と面談。27日、ブラジルサッカー連盟は「今後、代表チームの主将は右SBダニエウ・アウベス(パリSG)が務める」と発表した。

 表向きは「主将の交替」だが、チッチ監督はネイマールを主将失格とみなし、キャプテンマークを取り上げたのである。

 これについて、ネイマール本人は沈黙を守っている。しかし、昨年のW杯後、主将に指名されて「とても光栄」と大喜びしていたことを思うと、落胆しているのは間違いない。

 さらに6月1日、今度はネイマールがブラジル人女性から強姦容疑で訴えられているという衝撃的なニュースが飛び込んできた。

 報道によれば、ネイマールはインスタグラムで知り合った女性を5月中旬、パリへ呼び寄せ、女性が宿泊するパリ市内のホテルを訪問。その際、「合意がないまま性行為を強要させられた」というのが女性側の主張で、帰国後、女性はサンパウロの警察に訴えた。

 これに対してネイマールの父親は「息子が女性と関係を持ったのは事実だが、合意の上だった」と反論。さらに、「女性の弁護士と名乗る人物から、警察に訴えない代わりに金を払えとゆすられた」と明らかにした。ネイマール本人も、自身のインスタグラムで無実を訴えている。

 この原稿を書いている時点で事実関係は不明だ。だが、ネイマールが不用意な行動を取ったことは否定できまい。

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