長谷部誠は出色。今季ブンデス日本人選手の評価はグレーゾーンなし (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

 大迫自身はエースとして扱われ、リーグ戦では21試合に出場して3得点。得点数は物足りないが、プレー内容は充実していた。フロリアン・コーフェルト監督は相手によってしばしば戦術を変えるが、2列目ではなく、基本的にはフォワードとして機能し続けたことは、大迫自身にとっても大きかったはずだ。

原口元気 採点6

 ロシアW杯で活躍し、自ら背番号10を選択して臨んだシーズンだった。序盤は負傷で出遅れたが、後半戦で巻き返す。とくにアジアカップ以降はすべての試合に先発。1試合、81分で退いた以外はフル出場を果たし、ハノーファーの中心的存在になった。

 それでも、無得点という結果には本人も忸怩たる思いがあるだろう。チームは2部に降格し、中心選手としてチームを救う存在にもなれなかった。今後はコンスタントに出場できる1部のクラブを探し、自身のステイタスをもう一度確立することになる。

宇佐美貴史 採点5

 シーズン後半戦は2試合に先発し、5試合で途中出場したのみ。第30節以降は出場がなかった。監督が代わったわけではないのに、昨季より出場機会が激減しているのは、本人のメンタル面、モチベーションの問題が大きいのではないだろうか。そのポテンシャルへの評価は高いのに、もったいない話だ。今季限りでのフォルトゥナ・デュッセルドルフ退団が決定、日本復帰が噂されている。

浅野拓磨 採点5

 シーズン後半、アーセナルからのレンタル先であるハノーファーが、買い取りオプション不行使を決定、契約上の都合により出場機会を失った。この件は、クラブ内で経営陣と編成サイドの軋轢が浮き彫りになるなど、現地でも大きな話題となった。チームは2部に降格し、仮に買い取りが行使されたとしても、来季はどうなっていたかわからない。ただそれ以前に、もし浅野がもっと出色の出来栄えを見せていれば、自身もチームも違った結末を迎えていたかもしれない。

 本人は試合に出られなくなった4月以降、自ら2部練を行なうなど、次への動きに意識を向けてきた。来季こそ、快足を飛ばす姿を見せてほしいものだ。

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