バルサ移籍報道に「ノー」の嵐。好漢グリーズマンが嫌われている
発端は、フランスの有力紙レキップがすっぱ抜いたスクープ記事だった。
「アトレティコ・マドリードのフランス代表FWアントワーヌ・グリーズマンは来シーズン、バルセロナへ移籍するだろう。年俸は1700万ユーロ(約21億円)。5年契約になるのではないか」
すでにグリーズマン本人がアトレティコ退団を公表しているだけに、内容は真実味を帯びていた。移籍金は1億2000万ユーロ(約150億円)。アトレティコのエースであり、フランス代表をロシアW杯で世界王者に導いた立役者だけに、驚くような数字ではない。しかも年俸は、アトレティコ時代より600万ユーロ(約7億5000万円)も下がっている。
ところが、当のバルサ関係者やファンの間で、獲得に反対する声が出ているのだ。はたして、グリーズマンのバルサ入団はあるのだろうか。
アトレティコ・マドリード退団を発表したアントワーヌ・グリーズマン「ロッカールーム(現場)がグリーズマン獲得にノーを突きつけた!」
バルセロナのスポーツ紙スポルトは、5月18日の一面で、グリーズマンの写真を掲載し、スキャンダラスな文言で報じている。記事では「選手たちはチームに必要な補強とは考えていない」と断言。リオネル・メッシがグリーズマンに電話をかけ、入団を誘ったとも言われていたが、メッシ本人が「その事実はない」とチームメイトたちに伝えたことも記されている。
さらにスポルト紙はアンケート調査も行ない、「66%のバルサファンが獲得を望んでいない」という"民意"も叩きつけた。その後も、獲得に否定的な関係者のコメント記事をたびたび掲載している。湧き上がるような拒否感だ。
なぜグリーズマンはそこまで嫌われてしまったのか。実はひとつの事件があった。
今シーズン開幕前も、グリーズマンのバルサ移籍は確定的と言われていた。交渉の様子を、ジェラール・ピケがオーナーの映像制作会社が撮影し、ルポルタージュを製作した。ところが、その結末が「急転直下、移籍せず。アトレティコに残留する」という事態に。この一件が、ファンの怒りを買った。グリーズマンはその一方で、アトレティコから2300万ユーロ(約30億円)という破格の年俸も勝ち取っていたのだ。
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