ロナウドをアヤックス戦に間に合わせた、超リハビリとCLへの執念

  • パオロ・フォルコリン●文 text by Paolo Forcolin 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 ユベントス関係者の間に衝撃が走ったのは3月25日のことだった。ユーロ2020予選のポルトガル対セルビア戦で、クリスティアーノ・ロナウドが右太腿を痛めたというのだ。このニュースに触れて、誰もの頭にまず浮かんだのはこの疑問だっただろう。

「ロナウドはチャンピオンズリーグ(CL)準々決勝に間に合うのか?」

ユーロ予選セルビア戦で負傷し、途中交代したクリスティアーノ・ロナウド photo by AP/AFLOユーロ予選セルビア戦で負傷し、途中交代したクリスティアーノ・ロナウド photo by AP/AFLO 答えから言うと、ロナウドは4月10日、アヤックスの本拠地アムステルダム・アレーナに姿を現すだろう。いつものように最高にラッキーなエスコートキッズの手を握っての登場か、それともジャージを着てベンチに座るかはまだわからないが、たとえベンチスタートだったとしても、彼がプレーすることは疑いようがない。

 ロナウドの準備は万端だ。ケガはすでに治っている。先発か途中交代かは、マッシミリアーノ・アッレグリ監督の胸先三寸だ。16シーズンぶりにCLベスト8に進出したアヤックスのこの試合にかける意気込みは強く、この試合はかなりハードな戦いとなるだろう。こういう場合、控えにどんな選手がそろっているかは非常に重要である。ベンチにロナウドを持つという贅沢はユベントスにのみ許される。それでも私の予想では、ロナウドはキックオフからプレーする。

「君の復帰はまるで奇跡のようだ!」と言われるとロナウドは笑ってこう答えている。

「だから、ケガをしたばかりの時に言ったじゃないか」

 そう、たしかにセルビア戦の直後、ロナウドはこう言っていた。

「心配しなくていい。僕は自分の体のことはよくわかっている。2週間後にはピッチに戻っているよ」

1 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る