降格圏のサウサンプトン。吉田麻也は「残留争いを生き抜く」と宣言 (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 吉田個人に目を向けると、2試合連続で出番がなかった。アジアカップ合流前はハッセンヒュッテル監督のもとでレギュラーとしてフル稼働していただけに、約1カ月にわたりチームを離れたことが、序列低下につながった格好だ。

 しかし吉田は、アジアカップ合流前からこのような状況になることを想定していたという。

「アジアカップに行けば、ポジションを失うこと、リスクがあることはわかっていた。僕だけではなく、日本代表として行った選手全員がリスクを背負って行ったわけなので。

 帰ってきてこうなることは想定していたし、そこで言い訳するつもりもない。ここからチャンスを掴んで巻き返すしかない。チームの調子にかかわらず、2月末のこの連戦で『たぶんチャンスがくるな』とわかっているので、次かその次の試合でチャンスを掴むだけです」

 サウサンプトンとしても、吉田の奮起が必要な状況にある。

 アーセナル戦での2点目の失点場面は、3バックのCB中央を務めるDFジャック・スティーブンスが不用意な形でボールを奪われたのが原因だった。ハッセンヒュッテル監督が「軽率なミス」と困惑していたように、次節で守備陣のテコ入れを行なう可能性は高そうだ。ポジションが重なる吉田をスタメンに復帰させるシナリオは十分にあり得るだろう。

 次節は、リーグ19位に沈むフラムとの一戦になる。現在、サウサンプトンの順位は降格圏の18位。残留争いを戦い抜くうえでポイントになってくるのが、ライバルクラブとの直接対決に勝利することだ。

 チームは直近4試合で勝利がないだけに(2敗2分)、残留争いでライバルのフラムを叩いて降格圏を抜け出したいところである。吉田も力を込める。

「残留争いを生き抜くためには、直接対決で必ず勝たないといけない。どの試合も大事ですが、どちらかといえば、アーセナルや(マンチェスター・)シティとかそういうチームよりも、下のチームに必ず勝つというのが一番大事になってくる。前々節のバーンリー戦(1-1)と前節のカーディフ戦(1-2)で勝ち点を落としてしまったので、次の試合は本当に大事になると思います」

 フラム戦以降は、マンチェスター・ユナイテッド戦(3月2日)、トッテナム・ホットスパー戦(3月9日)、リバプール戦(4月5日)と、上位陣との対戦が続く。それだけに、フラム戦は極めて重要な一戦になりそうだ。

 そのフラム戦で吉田はピッチに立ち、調子の上がらないサウサンプトンを救うことができるだろうか。

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