柴崎岳の移籍は実現せず。残るはサイドアタッカーとしての戦いか (2ページ目)

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi photo by Sano Miki

 それでも今回、ヘタフェはアラベスのガーナ代表ワカソ・ムバラクを獲得できた場合、柴崎のデポルティーボへの移籍を認める方向だった。そしてアラベスは、レガネスの中盤であるハビエル・エラソを補強できた場合、ワカソの放出を認めるという玉突き移籍を待っている形となった。

 ここで問題となったのが、レガネス監督マウリシオ・ペジェグリーノと古巣であるアラベスの関係だ。ペジェグリーノは、金銭問題のためにいい形でアラベスを去ることができなかったことから、古巣へ選手を出すことに難色を示したと言われており、ここですべてのアクションがストップすることになった。

 デポルティーボへの柴崎の移籍は、こうした他のクラブの動きがないと一歩も進まないものだった。2月1日に向けて時計の針は動くものの、交渉は動くことなく、デポルサポーターの期待と裏腹に、この話は立ち消えとなった。

 2月1日0時を回り、デポルティーボは今季終了までのメンバーの背番号を発表したが、そのなかには柴崎の名前も小林の名前もなかった。Twitterでは先走りしたユーザーによって柴崎の「デポル移籍発表」があったが、今ではクラブ公式サイトが準備した柴崎のページも削除された。

 2年前、ラス・パルマスへの移籍が噂されながら、2部のテネリフェに駆け込む形で憧れのスペイン移籍を手にした柴崎。今シーズン中の移籍の可能性は欧州以外(北欧などを除く)の地となってしまった。柴崎は気持ちを切らせることなくヘタフェで戦いを続けていくことができるか。それとも欧州を離れる決断をするのだろうか。



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