「W杯の代償」か? 乾貴士と柴崎岳、苦闘が続いた今季の前半戦 (2ページ目)

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi photo by Getty Images

 チームとして戦力として考えていることは明言しており、数字に残る結果を出すよう、奮起を期待するコメントを残している。

 この日、ベティスのホームスタジアムでは、ハーフタイムにスタンドから多くのぬいぐるみが投げ込まれた。クリスマス前の試合、「プレゼントが貰えない子どもたちがいないように」というスローガンのもと、クラブ主催のチャリティー企画として行なわれたものだ。2019年は乾がセティエンの信頼を獲得できるか。それが日本のサッカーファンにいいニュースを届けられるかどうかのカギになる。

 一方の柴崎は、前節のレアル・ソシエダ戦で、開幕戦以来となるリーグ戦先発復帰を果たした。だが、年内最終節のジローナ戦では再びメンバー外となり、ホセ・ボルダラス体制のもとで厳しい状況に置かれていることが、あらためて明確になった(結果は1-1)。

 レアル・ソシエダ戦では左サイドで先発フル出場を果たした柴崎。だが、ジローナ戦ではケガで戦列を離れていたハイメ・マタがメンバーに復帰。また、チームは今季絶望のアマト・インディアイエや長期離脱中のマイケル・ベルガラの代わりとしてサム・サイス、マシュー・フラミニを獲得し、穴を埋めている。

 レアル・ソシエダ戦では、腹痛でネマニャ・マクシモビッチが欠場したことにより、中盤底のポジションには、マウロ・アランバリとセバスティアン・クリストフォロが起用されている。このことからも、ボルダラスが柴崎のことを、ボランチよりも攻撃の選手として評価していることがわかる。そしてジローナ戦のように本職の選手たちが戻ってくると、サイドでのポジションでも優先順位は落ちてしまうのだ。

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