進撃のアヤックス。メガクラブが狙う生きのいい若手がぐんぐん成長中 (3ページ目)

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倉敷 今回のアヤックスは予選2回戦から勝ち上がってグループステージを突破したわけで、その点も評価してあげたいですね。

 低迷の原因にはホームが絶対的なアドバンテージではなかったことも挙げられますが、今シーズンはホームであるアムステルダム・アレーナでは11勝1分けと負け知らず。26試合の公式戦を戦ってノーゴールも2試合だけ。バイエルンなどの強豪からも得点を奪えています。

 古豪復活とは言い切れませんが、ここまでは帰って来ました、とアピールできたと思います。ただこの成果で冬の移籍期間に主力を引き抜かれる危険性は増しましたけど(笑)。

中山 確かに決勝トーナメントに進出したことでより目立ってしまいますしね(笑)。

倉敷 断りきれない金額、と言う言葉もこの世界にはありますからね。たぶん引き抜かれるでしょう......もっても夏まで。バルサなのかシティなのかユーベなのか、どこになるのかはわかりませんがデ・ヨングに100億円、デ・リフトにも80億円くらいの値段がつきそうです。デ・リフトに関する交渉はイタリア系オランダ人のミノ・ライオラが担当していますが、どのクラブのフロント陣と仲が良いのかという記事も現地では出ていますね。

 数多くのオファーが届くであろうアヤックスのスポーツディレクターは昨季からOBのマルク・オーフェルマルスが担当していますが、良い意味でも悪い意味でも彼は腰が重い印象です。選手の売り買いに関して極めて慎重で、アジアの選手の獲得にも消極的なのは残念なのですが、それゆえアヤックスが戦力を温存できているという皮肉な見方もあるわけです。まあ、彼に多くの選手を売るように促すフロント陣もいそうですけどね。

小澤 それでも、現在のアヤックスのサッカーは、しっかりボールをつなげながら、鋭いカウンターも持ちあわせていて、なかなかのレベルだと思います。後方からワイドにロングパスも刺せますし、僕がいちばん覚えているのは、バイエルンとアウェー戦で開始4分に先制された後の展開でした。あたふたせずに、きちんと自分たちでボールを握りながら、逆にバイエルン陣内に入っていって、22分に追いついたという展開です。ああいったゲームができるとは、正直思っていませんでした。

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