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進撃のアヤックス。メガクラブが狙う生きのいい若手がぐんぐん成長中 (2ページ目)

  • photo by Getty Images

中山 たしかにアヤックスは2シーズン前にヨーロッパリーグのファイナリストになった時から若手選手が移籍マーケットで注目されるようになりましたが、現在ローマでプレーするパトリック・クライファートの息子のジャスティン・クライファートを含めて、近年はかつてのようなタレントの宝庫に戻りつつある印象があります。その一方で、国内リーグで勝てないこともそうですが、チャンピオンズリーグではダークホースと言われるまでにも至っていません。その原因はどこにあると見ていますか?

倉敷 主力選手をまた抜かれると考えられているからでしょうね。近年アヤックスが勝てなかった原因のひとつは、株式を上場している点にあります。配当金を求める株主のために、チームに留めたい選手であっても売却する必要がありました。ただ、最近はフロントも頑張って若手を売らず、チームの柱になるベテランもキープできました。チームの肝と言えるデンマークのラッセ・シェーネは入団してもう8シーズン目を迎えましたが、間違いなくシェーネが残ってくれたことが現在のチーム状況につながっています。

 ベテランといえば今シーズンはデイリー・ブリント(元オランダ代表ダニー・ブリントの息子)もマンチェスター・ユナイテッドから帰ってきてくれました。彼の経験値は大きなプラスです。もうひとつ、アヤックスが近年結果を出せなかった理由のひとつに絶対的なゴールキーパーの不在がありましたが、現在はサミュエル・エトーが作ったカメルーンの育成システムで育ったアンドレ・オナナがいます。代表のGKでもある彼はバルセロナのカンテラ出身でアヤックスに来てさらに大きく成長したと思います。

小澤 エリック・テン・ハフという監督についてはどのように評価していますか? 現役時代に特筆すべき実績があった人ではないようですが。

倉敷 トゥウェンテなど国内でプレーしたCBでしたが代表歴はありません。指導者になってから注目を集め始めた人物ですが、グループステージ突破は彼の功績が大きいと思っています。テン・ハフはペップ・グアルディオラがバイエルンの監督をしていた時代に、セカンドチームの監督をしていました。ペップと直接やり取りをしながら勉強ができたのが大きな財産になっているのでしょう。ペップとバルサ、そしてバルサとアヤックスの共通点は多くの人の知るところですし、監督としては世界のトップランナーであるペップのアプローチを目の当たりにできた。そこがこれまでのオランダ人監督とは違っている部分だと思います。

中山 それにしてもアヤックスが戦ったグループEは、バイエルンは別格として、もうひとつの椅子をベンフィカ、アヤックス、AEKで争うと予想されたなか、前評判ではどちらかと言えばアヤックスよりもベンフィカ有利と見ていた人が多かったと思います。僕もそのひとりでしたが、いざ蓋を開けてみたら2強2弱という結果になりました。

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