クロアチアの敵だらけだった決勝のピッチ内外。「我々は不運で敗れた」 (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 もちろん、このアクシデントによって水を差されたのは、フランスも同じである。実際のところ、クロアチアの選手にどの程度の心理的影響を与えたのかはわからない。

 だが、直後の59分に試合を決定づける3点目を失っていることから考えれば、クロアチアにとっては悔やまれるアクシデントだったことは間違いない。

 はたしてその6分後、クロアチアは致命的な4点目を失い、事実上勝負は決した。

 今大会のクロアチアは、常に見るものの胸を熱くするような戦いを繰り広げてきた。最後まであきらめずに走り続け、ギリギリのところでしぶとく勝ち上がる。そんな試合の連続だった。

 しかし、彼らにも限界はあった。すでに心身両面でエネルギーが残されていなかった。試合終盤の20分ほどは、それまでのように足が前に出ず、フランスを押し込むことができなかった。

 2-4。試合は結局、内容には似つかわしくないスコアで決着した。

準優勝に終わるも、最後まですばらしい姿を見せたクロアチア準優勝に終わるも、最後まですばらしい姿を見せたクロアチア 試合後のダリッチ監督は、後半の乱入者については「コメントしない」。レフリーの判定については、「ひとつ言わせてもらうなら、ワールドカップ決勝の舞台で、あのようなPKは与えられるべきではなかった」と語るにとどめ、ここまで勝ち上がってきた選手たちを称えることに努めた。

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