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日本戦の視聴率38%! イタリア人は
リアル「キャプテン翼」に惚れた (3ページ目)

  • 利根川晶子●文 text by Tonegawa Akiko photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 ドイツが韓国に負けた翌日、イタリアの新聞はこぞって「アウフヴィーダーゼン(ドイツ語でさよなら)、ドイツ」とやり返した。

 イタリアをプレーオフで破った張本人スウェーデンに関しては複雑な思いがあるようだ。憎い相手ではあるので、面と向かって応援はしないが、彼らがベスト8に勝ち進んだことには、多少の慰めも得ている。

「別に俺たちは、どこの馬の骨ともわからない弱小チームに負けたわけではないのだ」「スウェーデンが優勝したら、イタリアは2位ってこと?」「(ジャンピエロ・)ヴェントゥーラ(敗退後に解任された代表監督)に謝らないと!」......決勝トーナメント1回戦で消えたスペインに、予選で3-0と大敗したことは、すっかり忘れているようだ。

 もうひとつ、イタリアらしいW杯の見方がある。それは自分の町のクラブチームに所属する選手を応援することだ。

 イタリアが統一されたのは今からほんの100年ちょっと前の話。それまではミラノもローマもフィレンツェもナポリも別の国だった。だからだろうか、今でも国よりも自分の町への帰属意識が強い。1990年のイタリアW杯準決勝で、イタリアとアルゼンチンがナポリで対戦した際、多くのナポレターノが我が町のヒーロー、ディエゴ・マラドーナのいるアルゼンチンを応援したのは有名な話だ。

 今回のW杯では58人のセリエAの選手がプレーしている。1番多いのがポーランドの9人。次いでクロアチアの6人。アルゼンチン、スイス、ウルグアイがそれぞれ5人。思い入れのある選手の姿がW杯で見られるのは救いになっている。

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