ハリルに朗報! 長谷部誠がフランクフルトで復活、ドイツ杯を快進撃 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 さらにフランクフルトからの契約延長オファーがない理由も「膝のことがあるし、(クラブが二の足を踏むのも)理解できる」と現地メディアに語っていた。それを考えると、信じられないほどの復調ぶりだ。

 以前からニコ・コバチ監督に高い信頼を寄せられてきた長谷部だが、この5試合はキャプテンマークを巻いてプレーしている。いかにこのチームでなくてはならない存在に戻ったかがわかるというものだ。しかもキャプテンを務め、チームの精神的支柱になると同時に、長谷部の場合は戦術的な中心も兼ねている。

 マインツ戦前、キッカー誌やテレビの中継は、フランクフルトのシステムを4-2-3-1と予想した。長谷部をボランチに置いた形だ。

 ところが蓋を開けてみればいつもの3バック。長谷部はリベロの位置で、守備だけでなく、全方位に目配りしたプレーでチームを支えた。マインツは4-2-3-1だったが、さほどプレスをかけてくるわけでもなく、長谷部らフランクフルトの守備陣は余裕を持ってプレーができた。

 ただ、フランクフルトは実際に4-2-3-1にする可能性もあったと、長谷部は明かす。

「相手の出方によって試合の中で変える、自分のポジションを変える(可能性がある)というのは、(監督から)言われています。今日なんかは、相手がプレッシャーをかけてきたら自分がボランチに入って、というのは全部ミーティングでもやっていました。ただ、あまり相手が来なかったので後ろにいました。

 自分の強みはリベロでもボランチでも両方できるということ。システムを、試合の中でメンバーを代えずに変えられるということなので、そのへんは臨機応変に相手の出方とか、そういうのを見てやってます」

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