レアル・マドリードは呆れるほど強かった。南米王者は手も足も出ず (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 グレミオにしても、もう少し攻撃の時間が作り出せれば、ひと息入れる余裕も生まれただろう。しかし、これだけ自陣ゴール前で耐えるだけの時間が続いては、最後まで持ちこたえるのは難しかった。グレミオのレナト・ガウショ監督は「選手は消耗していた」と言い、こう語る。

「細かなところが差を生み、世界タイトルを獲るには、その差が重要だ。レアルは質の高い選手を擁するレベルの高いチーム。レアルは勝利に値するプレーをした」

 得点こそ、クリスティアーノ・ロナウドのFKによる1点のみだったが、両者の力の差を考えれば、最少得点で十分だった。

 その後のレアルはボール回しの練習よろしく、テンポよくパスをつないでボールをキープ。時計を進めながら、タイミングよくスピードアップしてチャンスを作る。1点取ったことに浮かれ、闇雲に前がかりになるようなことがないから、スキも生まれない。

 グレミオのボールポゼッション率は38%。シュート数は1本で、枠内シュートはゼロ。しかも、その1本はFKを直接狙ったものであり、流れのなかからは1本のシュートも打てていない。CKはわずか1本しかなく、オフサイドには一度もかかっていない。レアルは文字どおり、南米王者に手も足も出させず、パーフェクトな内容で1-0のまま試合を終わらせた。

 攻守両面で出色の働きを見せ、大会MVP(ゴールデンボール)を獲得したモドリッチは言う。

「レアルのロッカールームにはスゴい選手たちがそろっている。だが、彼らは全員、チームのためにプレーする。そのことが重要なんだ」

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