福田正博が予想。ロシアW杯
「日本のH組以外」で番狂わせがあるのは?

  • 津金壱郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

【福田正博 フォーメーション進化論】

 前回、日本代表が入ったグループHの分析をしたが、ロシアW杯のグループリーグの組み合せは、いわゆる"強豪国"が全体的に散らばった印象がある。直近10大会で決勝に進んだことがあるのは7カ国のみ(ブラジル、アルゼンチン、ドイツ、スペイン、オランダ、イタリア、フランス)で、そのうちイタリアとオランダの2カ国が出場を逃したのだから、"死の組"が生まれなかったのもうなずける。

メッシ擁するアルゼンチンはグループDの本命と見られているが......メッシ擁するアルゼンチンはグループDの本命と見られているが...... そんな状況のグループリーグで特に目を引くのは、グループB初戦のスペイン対ポルトガルだ。同組のモロッコ、イランとの実力差を考えると、無理をして勝ちにいく必要はないかもしれない。しかし、ここで勝ち点3を奪えばグループ突破がほぼ決まるだけに、両チームにはそれを狙った"ガチンコ勝負"を見せてもらいたい。

 スペイン代表は若い選手たちが台頭してきてはいるが、チェルシーのアルバロ・モラタらがいるとはいえFWはやや迫力不足。ただ、スペインのFW不足は今に始まったことではなく、2010年南アフリカ大会では、試合によってはFWを置かないゼロトップのシステムも採用して優勝している。

 スペインは2014年ブラジル大会で、まさかのグループリーグ敗退という憂き目に遭ってからは調子を落としていたが、昨年7月にフレン・ロペテギ監督が就任してからはV字回復。欧州予選でイタリアを危なげなく退けたスペインが、本戦でどんな戦いを見せてくれるか楽しみにしている。

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