酸素がなくてもメッシは動く!神がかり3発でアルゼンチンを救う

  • 三村高之●文 text by Mimura Takayuki photo by Getty Images

 ロシアW杯南米予選は10月5日に第17節、10日に最終節が行なわれ、ロシアW杯出場権を得る4位までの国と、ニュージーランドとプレーオフを行なう5位が決まった。

W杯南米予選最終節エクアドル戦でハットトリックを決めたメッシW杯南米予選最終節エクアドル戦でハットトリックを決めたメッシ 第17節の注目カードは、4位のペルー(勝ち点24)と5位アルゼンチン(同24、順位差は総得点による)の"瀬戸際対決"だった。ホームのアルゼンチンは、最終節が苦手とする高地でのエクアドル戦なので、この試合は何が何でも勝たねばならなかった。一方のペルーにとっても、1982年スペイン大会以来のW杯出場のためには落とせない一戦だ。

 立ち上がりからペースをつかんだアルゼンチンが猛攻を繰り返したが、ゴールは遠かった。13回もの決定機がありながら、GKのセーブ、ポスト直撃、シュートミスなどで無得点。0-0の引き分けに終わった。打っても打ってもゴールに入らず、流れを変えるために投入したフェルナンド・ガゴがわずか5分で負傷退場するなど、完全にツキに見放されていた。

「彼にあれ以上のことは要求できない」とアルゼンチン代表監督のホルヘ・サンパオリが語ったように、この試合のリオネル・メッシは獅子奮迅の働きを見せた。多くのチャンスを演出し、決定的なラストパスを3回通し、守備面でも貢献した。それでも勝ち点3は得られなかった。狙い通りの結果となったペルーでは国民が大興奮。リマの空港には群集が勇者の凱旋を出迎え、大統領までもが代表を称えるために宿泊先のホテルを訪れた。

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