キャプテン翼のようだ。欧州デビューの中島翔哉をポルトガル人が絶賛 (3ページ目)

  • 井川洋一●文 text by Igawa Yoichi
  • photo by Getty Images

『GoalPoint.pt』を立ち上げたジャーナリストのペドロ・ゴンサウベス氏は、中島がこれほどの注目を集めているのは、数字はもちろん、ポルトガルの中小クラブに似つかわしくない存在だからだという。

「ポルトガルにはベンフィカ、ポルト、スポルティングの3大クラブがある。それ以外のクラブにはリーグ優勝の望みがないに等しく、特にポルティモネンセのように昇格してきたばかりのクラブは、残留を目指してフィジカルに依存した戦いをする。そのため、肉体派の選手が多く、中島のように技術を武器に突破を仕掛けたり、意図を持ってプレーしようとする選手が少ないんだ。もし、彼がこの先も我が国でプレーを続けるのであれば、いずれかの名門の仲間入りを果たすことも十分にあり得る」

 同記者によると、中島がこれほどスムーズにポルティモネンセに順応できたのは、元鹿島アントラーズのファブリシオや、日本国籍を持つテオ・リューキといったチームメイトの存在が大きいと、本人も語っている。

 振り返れば、中島はアンダー世代の日本代表の常連で、U-17W杯やリオ五輪にも出場して世界を肌で感じてきた。エースナンバーを背負ったU-23代表では、五輪予選のイラン戦や本大会のコロンビア戦で圧巻のゴールを決めている。その後はFC東京で起用法が定まらなかったこともあり、雌伏(しふく)とも言える時期を過ごした。その意味で、今回の移籍は成功と言えるだろう。少なくとも現段階では、そうとらえて間違いない。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る