W杯予選のアルゼンチンが危機。
ペルーをビビらせる会場で必勝を期す

  • 三村高之●文 text by Mimura Takayuki photo by Getty Images

 ブラジルW杯準優勝のアルゼンチンが、ロシアW杯予選で大苦戦を続けている。

ベネズエラ戦は不発に終わったメッシ。国内では批判にさらされているベネズエラ戦は不発に終わったメッシ。国内では批判にさらされている 南米予選は2年前の10月から始まったが、その間に監督交代が2回あり、現在のホルヘ・サンパオリは3人目だ。1人目のヘラルド・マルティーノは3勝2分け1敗と合格点ながら、コパ・アメリカの決勝戦で2年続けてチリに敗れたため辞任。後任にはエドアルド・バウサが就任するが、3勝2分け3敗の成績で解任された。この段階でアルゼンチンの順位は5位。出場権は4位までで、5位になるとプレーオフに回らなければならない。

 もっとも、バウサの任期中は予選のホームゲームが地方都市で開催されていたため、それが不振の一因でもあった。会場となったメンドーサやサンファンはチリとの国境の街で、首都ブエノスアイレスからはウルグアイへ行くよりも遠い。代表のキャンプ施設はブエノスアイレスに立派なものがあり、市内で試合を行なえば、そこからスタジアムへ直行できる。しかし、地方都市で開催すると前日移動にならざるを得ない。ヨーロッパから10数時間の長旅の末、戻ってきた選手たちは、このハードスケジュールによりコンディションを整えられなかった。

 サンパオリの初陣となった今年3月のチリ戦から、ホームの試合はブエノスアイレスに戻り、1-0の白星スタートとなった。しかし次戦は標高3600メートルのアウェーでボリビアに0-2で敗れた。続く"ラプラタ河クラシコ"のウルグアイ戦は、リオネル・メッシを徹底マークで封じられてスコアレスドローに終わる。

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