乾貴士がエイバルの苦境に抱える責任感。
「下を向いても意味はない」

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 前節バルセロナ戦に続く完敗だった。

 エイバルのホーム、イプルアで行なわれたリーガエスパニョーラ第6節セルタ戦は、エイバル、そして乾貴士にとって、苦い思いの残るものとなった。0対4のスコア。しかもリピート放送を見るかのように、セルタの左サイドのセットプレーからの攻撃を止めることができずに、エイバルはいとも簡単に連続ゴールを献上してしまった。

セルタ戦に先発したものの、37分に交代した乾貴士(エイバル)セルタ戦に先発したものの、37分に交代した乾貴士(エイバル) そして乾は、エイバル移籍後初となる前半途中での交代を命じられた。37分、2点差を縮めるためにセルジ・エンリッチと交代してピッチを去った乾。けっして悪いプレーをしていたわけではない。ただ、この試合ではべべがプレーした右サイドに比べて、左サイドはボールに絡む回数が少なかった。

 試合後の記者会見で、ホセ・ルイス・メンディリバル監督は「試合の流れから何かを変えないといけなかった。彼のサイドから攻められていなかったし、得点差からいっても解決策はタカシを外すことで見つかると考えた」と、日本人MFの交代はケガなどではなく、戦術的理由によるものであることを明らかに。

 だが、チームはその直後にも、1点目、2点目と同じように、セルタの左サイドのクロスから失点してしまう。

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