松原良香の南米予選ルポ。なぜ
ウルグアイがアルゼンチンを上回るのか

  • text by Sportiva photo by Getty Images

松原良香の南米サッカーレポート(前編)

 熾烈をきわめるW杯ロシア大会南米予選。首位ブラジルこそ早々と本大会出場を決めたものの、アルゼンチンは現在、大陸間プレーオフに回る5位に沈んでいる。ただし、2位ウルグアイから6位チリまでの勝ち点差はわずか4。残り2試合、最後の最後まで手に汗を握る展開になりそうだ。8月31日に行なわれた大一番、ウルグアイ対アルゼンチンを現地で観戦した元日本代表FW松原良香氏に、南米予選の現状を語ってもらった。

激しく競り合うリオネル・メッシ(アルゼンチン)とアルバロ・ゴンザレス(ウルグアイ)激しく競り合うリオネル・メッシ(アルゼンチン)とアルバロ・ゴンザレス(ウルグアイ) この試合の前の時点でウルグアイが3位、アルゼンチンが5位。ただ勝ち点差は1でした。ウルグアイの首都モンテビデオのセンテナリオスタジアムは超満員で、アルゼンチンからも多くのサポーターが来ていましたが、入れない人もたくさんいました。

 ウルグアイは、ルイス・スアレスがケガで出られないという話もあったのですが、始まってみたら先発。いつもの4-4-2で、エディソン・カバーニとの2トップでした。対するアルゼンチンは3トップです。
 
 この試合の前後に、ウルグアイのオスカル・タバレス監督の右腕として知られるマリオ(・レボージョ)というコーチに、どういう戦略、考え方で試合に臨んだのか、話を聞くことができました。ウルグアイは予選で3連敗中だったんです。だからメンタルという意味でも、まずは「落としちゃいけない」と。ここで敗れると、「なぜ勝てないんだ」「これじゃダメだ」という雑音も出てくるし、チームが分解してしまう危険性がある。「負けない」ということにもう一度集中して試合に臨むんだと言っていました。

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