ルーニーなきイングランド代表。W杯予選トップも試合内容は課題山積 (4ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 この試合で生まれたふたつの得点を振り返ってみても、「セットプレー」とラッシュフォードによる「個人技」からのもので、イングランドが本来得意とする"強引な力技"で逆転勝利に結びつけた格好だ。一本調子の単調な攻撃、ポゼッションの質の悪さ、崩しの少ないオプションと、イングランドが抱える継続課題は依然として解決されていない。

 交代時にサポーターから誰よりも大きな声援を受けたラッシュフォード、昨季プレミアリーグ得点王のケイン、好調時にはダイナミックなプレーを連発するデレ・アリと、いずれも彼らは大きな伸びしろを秘めている。だが、ケイン&アリのトッテナムコンビがこの試合で沈黙したように、選手個人としても乗り越えるべきハードルは少なくない。

 スロバキアに勝利したことにより、次節のスロベニア戦(10月5日/ホーム)に勝利すればロシアW杯出場が決定する。しかし、予選を全勝(10勝0敗)で突破しながら2016年の欧州選手権で格下アイスランドに敗れて大会を後にしたように、W杯本大会で上位進出を果たせるかどうかは「未知数」と言っていい。

 ロシアW杯まで残り9ヵ月――。W杯出場に王手をかけたが、このまま右肩上がりに成長曲線を描けるか。「発展途上」とサウスゲート監督が自軍を見ているように、"黄金世代後"のイングランドはさらなる成長と進化が必要である。

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