堂安律→時間、小林祐希→怖さ。オランダ開幕戦で見えた足りないもの (4ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by Getty Images

 これまで多くの日本人選手がオランダリーグにチャレンジした。しかし、デビューからオランダサッカーに順応し、しかもその調子を長くキープできた選手はというと、小野伸二と小林祐希ぐらいしかいない。フェイエノールトでセンセーショナルなデビューを飾った宮市亮(ザンクトパウリ)も、やがてドリブルのパターンを読まれて対策を練られてしまった。ヘラクレスでのデビュー戦でいきなり2ゴールを決めた平山相太(ベガルタ仙台)も、やがて高い壁にぶち当たった。

 今季の目標を聞かれた堂安は「ふたケタは獲りたいですけど。早めに1点獲れれば全然できるかなと思います」と言い切った。長いシーズン、いいときもあれば悪いときもあるだろう。オランダリーグというのは、若い選手のミスを許してくれる土壌がある。そんな環境を楽しみ、ふたケタゴールという大台に向けて思い切ってチャレンジしてほしい。

 一方、オランダリーグ2年目となる小林の開幕戦は、次のステージに向けて歩み始めていると感じさせる風格をプレーに漂わせていた。ロングボールの蹴り合いになると存在感がなくなってしまうものの、地上戦で戦っているかぎりは中盤を仕切る小林が「チームの頭脳」となっていた。

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