吹き荒れるマネーの嵐で混戦に。プレミアリーグを制するのはどこだ? (3ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by Getty Images

 そんななか、もっとも大きな注目を集めているのは、在任2季目のグアルディオラ監督率いるマンチェスター・Cである。先述したようにSBの総入れ替えを行なったほか、不用意なミスを繰り返したGKクラウディオ・ブラーボに代わる新守護神として、ベンフィカから足技に長けるGKエデルソン・モラレスを確保。中盤にもMFダビド・シルバと同タイプのMFベルナルド・シウバを入れて攻撃陣の拡充に成功している。昨季は指揮官の思い描く理想像に選手のレベルが追いついていない印象を残したが、2季目となる今シーズンは指揮官のカラーに確実に染まりつつある。

 地元ライバルのマンチェスター・Uも、センターフォワード(CF)にルカク、セントラルミッドフィルダーにMFネマニャ・マティッチ(前チェルシー)、センターバックにDFビクトル・リンデロフ(前ベンフィカ)を加え、チーム中央の背骨部分を強化した。攻撃に多様性を持たせる点で課題を残しているが、指揮官ジョゼ・モウリーニョの考える堅実なサッカーを体現できる人員が揃った。

 昨季のリーグ覇者チェルシーも、今夏の市場で積極的に動いている。しかし、事実上の戦力外通告がなされたFWジエゴ・コスタの後釜としてCFのモラタ、マティッチの代わりにMFティエムエ・バカヨコ(前モナコ)を獲得した以外、実質的な戦力の上積みはDFアントニオ・リュディガー(前ローマ)だけにとどまっている。チャンピオンズリーグとの"二足の草鞋(わらじ)"に備え、もう少し戦力の補充が必要だろう。

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